キーボードとアフィリエイトの文字

アフィリエイトブログは簡単に始めることができますが、実は様々な法律や規約が関連しています。今回は、アフィリエイトブログと個人情報保護法の関係や注意点を説明します。

アフィリエイトブログで知っておきたい法律

RULRの文字サイコロ

稼げるか稼げないかは別として、インターネットに馴染みのない人やブログ初心者であっても始めることのできるアフィリエイトブログですが、運営する上で守るべき規約や知っておくべき法律もあります。

法律や規約を無視したブログは、場合によっては損害賠償や法的措置をとられることもあるので知らなかったという言い訳は通用しません。

アフィリエイトブログをする上で守るべき法律には個人の取り扱うアフィリエイト分野によって薬事法や金融商品取引法、貸金業法等の法律が関係してくる場合があります。書き方によっては著作権法や景品表示法で問題となることもあるので注意が必要です。

そして、ほとんどのブログに共通する法律が個人情報保護法です。個人情報保護法とブログは深く関係していることを認識しておく必要があります。

特に個人情報を扱わない場合は問題ありませんが、知っておいて損はないので最後までお付き合いください。

個人情報保護法とは

個人商法保護法の本

個人情報保護法とは正式には個人情報の保護に関する法律といい、2003年に成立、2005年に全面施行されました。

成立当時はインターネットが普及し始めて間もない頃で、現在のようにSNSは普及していませんでした。ましてや個人でインターネットビジネスをしたりする人も今程多くありませんでした。

世界的に広がる個人情報保護の潮流や日本における個人情報やプライバシー意識の高まり等を鑑みて制定された法律だといえます。

成立した当初の個人情報保護法では、5000件以上の個人情報を個人情報データベース等として保有し、事業に用いている事業者が個人情報取扱事業者の対象でした。

もしも個人情報取扱事業者が主務大臣への報告を怠ったり、改善命令に従わなかったりする場合には刑事罰が科される可能性があります。
個人情報の保護に関する法律 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

個人情報保護法の改正

2003年に成立した個人情報保護法は改正されました。2015年に改正個人情報保護法が公布され、2017年5月30日から全面施行されています。ITの進化は早く、2003年に個人情報保護法が成立して10年足らずで現代人を取り巻くインターネット環境は大きく変わりました。

SNSが普及し、個人での情報発信が盛んになりました。氏名や住所、生年月日、顔写真等、無意識に個人情報を発信してしまって犯罪に利用される等のトラブルとなるケースや個人情報自体が販売されるケースもあります。

企業のサービスを利用する際に個人情報を入力する機会が増えましたが、企業から個人情報が流出してしまった場合はクレジットカード番号等も含まれることがあり危険です。

行政においてもマイナンバー制度の運用が開始されるなどIT化で生活が便利になる一方、個人情報の漏えいによるリスクを懸念する人は多いです。

改正個人情報保護法では個人情報の定義の明確化や適切な規律の下で個人情報の有用性を確保すること、名簿屋対策等の個人情報保護を強化、個人情報保護委員会の新設およびその権限、個人情報の取り扱いのグローバル化、その他改正事項という項目で構成されています。出典:「改正個人情報保護法」5月30日より全面施行、変更点・注意点などポイントを解説

個人情報3つの概念

個人情報は明確化され、大きく3つの概念に分類されています。

①個人情報

②個人データ

③保有個人データです。

個人情報とは生存する個人を特定できる情報です。

個人データとは個人情報のうち、個人情報データベース等の個人情報を検索、特定できるよう体系的に構成したもので媒体は紙、電子を問いません。

保有個人データは個人データのうち開示や訂正、消去等の権限があり、且つ保有期間が6ヶ月を超えるものを指します。

改正された点を踏まえて改正前と改正後の個人情報保護法で異なる点を幾つか挙げると、改正前は5000件以下の個人情報を取り扱う小規模な事業者は個人情報取扱事業者の対象外でしたが、改正法では取扱数に関係なく個人情報取扱事業者の対象となります。

個人情報取扱事業者の要件が変わっているため、個人事業主となっているアフィリエイターも対象となります。尚、開業届を提出しないアフィリエイターは事業者とは認められないため、改正個人情報保護法の対象外となる可能性が高いです。

その他、本人の同意を得ることなく個人情報を提供できるオプトアウトという特例は、改正後に個人情報保護委員会への届出が必須となりました。

人種や信条、病歴等、要配慮個人情報に分類される情報はオプトアウトでの提供は不可能となっています。

ブログで個人情報の取扱に関する通知をするプライバシーポリシー

セキュリティの文字と鍵マーク

インターネットで何かを検索すると高確率で個人のブログやアフィリエイトブログを見つけることができます。

誰もが個人が運用しているブログを見たことがあるはずですが、記事の中で個人情報保護に関する記述を目にした記憶のある人は多くないかもしれません。

個人情報のことを意識して記事を読む人は稀かもしれませんが、信頼できるブログの証拠としてプライバシーポリシーの設置の有無が目安となります。

プライバシーポリシーは、ブログ等インターネットのウェブサイトにおいて、入手した個人情報の扱い方について管理運営者が定めた規範を記載しています。

大事な記述があるにも関わらず、現状では意外と読んでいない人が多いようですが、ブログ内に高確率で設置されているので目を通すことをおすすめします。

サイトによって規範は異なり、個人情報を保護すると記載のあるサイトもあれば、一定条件の下で利用するという内容や第三者へ情報を提供する場合があるという記載があるサイトもあるのでよく読む必要があります。

アフィリエイトブログでは法的な観点からも、アフィリエイトサービスの利用規約の観点からもプライバシーポリシーが設置されているはずです。

法的な観点に関しては、個人情報保護法を守る必要性があります。サイト内にプライバシーポリシーを設置すること自体が法律で定められているわけではありません。

しかし、個人情報保護委員会の個人情報保護法ハンドブックによると、個人情報取扱事業者は個人情報を取り扱う場合には、利用目的をできる限り特定しなければならないと定められています。

特定した利用目的は、プライバシーポリシー等の策定や見やすい場所へ掲示することであらかじめ公表しておくか、個人情報を取得する際に本人に通知する必要があるという規定になっています。出典:個人情報保護法ハンドブック

また、インターネットは日本国内に限らず世界とつながることも可能なので、場合によってはGDPRというEUの個人情報保護規則に関しても意識しておく必要があります。

GDPRとプライバシーポリシー

GDPRとはEU一般データ保護規則のことで、欧州の議会や理事会、委員会がEU内の全ての個人を対象にデータ保護を強化・統合することを意図した規則で、EU外への個人情報の輸出も対象に含まれます。EU一般データ保護規則 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

日本の個人情報保護法よりも厳しくなっているので、EUの人向けにサイトを運営している人は注意しなければなりません。

アフィリエイトサービスの利用規約の観点からもプライバシーポリシーを設置する必要があります。

アフィリエイトサービスを提供している企業は幾つもありますが、多くが規約で必要とされる内容をプライバシーポリシーに記載していなければサービスが利用できない仕組みになっています。

これらのアフィリエイトサービスでは、企業によるサイト審査後に利用が許可されるようになっています。サイト審査においてプライバシーポリシーの設置の有無やプライバシーポリシーの内容の確認が行われていると考えておいて良いでしょう。

尚、各アフィリエイトサービスで公表すべき内容や明示すべき文言が異なります。複数のアフィリエイトサービスを利用するなら全てを満たすプライバシーポリシーを策定しなければなりません。

これからプライバシーポリシーを設置しようとする人はプライバシーポリシーをインターネット上で検索するかもしれません。検索するとコピーして使用できるようにテンプレートが多く存在します。コピーして終わるのではなく、きちんと意味を理解した上で使用する必要があります。

また、ブログやサイトを閲覧する人の信頼を得るという意味でもプライバシーポリシーの設置は有用です。

インターネットの普及でブログやサイトを閲覧する人も個人情報の取り扱いやサイトの信頼性について見方が厳しくなっています。きちんとプライバシーポリシーを設置しているサイトが多い中、プライバシーポリシーを設置していない場合はそれだけで信頼を失いかねません。

全ての人がよく意味を理解してプライバシーポリシーを設置しているわけではないかもしれませんが、信頼獲得やリスク回避という意味でも最低限プライバシーポリシーは設置しておく方が良いでしょう。

個人情報取扱事業者の要件に該当しない個人のブログ運営者にもいえることです。

尚、アフィリエイトブログや個人ブログでは問い合わせフォームを設置している場合が多いですが、問い合わせフォーム等を通して得た情報やアンケート情報、メールマガジンの登録情報等も個人情報と考えておいた方が無難です。

また、IPアドレスやCookie(クッキー)に関しては個人情報になるという見方もあれば、個人情報に当たらないという見方もあるなど、考え方が分かれます。

特にCookieに関しては、EUの個人情報保護規則であるGDPRによって問題視され、個人情報に含まれるという流れになっています。

個人情報保護法とアフィリエイトブログの関係のまとめ

キーボードの上にBLOG文字の木製ブロック

アフィリエイトは誰でも始めることができ、しかも匿名でできます。その簡単さから、法律についての意識が低い人が多いです。

また、実際に運営していたアフィリエイトブログが法律に違反したことによって管理運営者がどのような処罰を受けたか一般的に公表されて話題になることもないので知る機会は多くありません。

アフィリエイトブログで個人情報保護法を無視したまま運営を続けると、運営者でなく第三者が被害を受けた場合に管理運営者の情報の開示を要求されたり、せっかく構築したブログの運営が停止されたりする等のリスクを覚悟しておかなければなりません。

アフィリエイトブログを始める際は、個人情報保護法を含めた関連する法律やアフィリエイトサービスの規約等をよく確認することを怠らないで下さい。

法律や規約は都度改正されたり、変更されたりすることがあります。ブログ運営をする間は、情報に敏感になることを心掛け、最新の情報を取得するように注意を払う必要があります。

(画像は写真ACより)

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