
アフィリエイトには専門用語があります。1クリックあたりの収益を示す「EPC」や、似たような意味の用語に「CVR」(コンバージョン率)は、知っておくべき大切な専門用語です。
「EPC」と「CVR」を比較しながら、用語の持つ意味や改善方法などを解説します。また、成約・報酬に結びつきやすい広告の選び方も紹介します。
アフィリエイト用語「EPC」とは
アフィリエイトを始めたばかりの人は、見慣れないアフィリエイト用語に四苦八苦することがあるかもしれません。そんなアフィリエイト用語のひとつ、EPC(イーピーシー)について説明します。
EPCとは、「Earnings Per Click」の略語です。クリックごと(per click)の収益(earning)という意味のとおり、EPCとは、1つの広告が1クリックされたときの収益を指しています。
ここでの収益は報酬発生額とも言いかえることができ、1クリックでどれだけ収益が発生するのかを見る指標です。
EPCが高い広告を選んで掲載することで、効率的に収益につなげることができます。
EPCは、アフィリエイターから見ると、より収益性の高いアフィリエイト広告プログラムを選ぶのに参考になる指標といえます。
EPCの計算方法
1クリックごとの収益であるEPCは、どのように計算するのでしょうか。例を挙げながら確認しましょう。
・EPCの計算式
EPC = アフィリエイト報酬金額 ÷ 広告のクリック数
例えば、広告Aが、1ヶ月間で400回クリックされ、全体で4,000円の報酬が発生したとします。その場合は以下のような計算式になります。
広告AのEPC = 4,000円 ÷ 400 = 10
一方、広告Bが、1ヶ月間で80クリックされ2,400円の報酬が発生したとします。
広告BのEPC = 2,400円 ÷ 80 = 30
一見、広告Aのほうが高い報酬を得ているように見えますが、1クリックあたりで計算すると、広告BのほうがAよりも3倍高いということになります。つまりEPCはBのほうがよいと言えます。
広告Aの方が、クリック数が多そうだという予想のもとにAを選択していても、実際は、Bの方が収益性が高かったことになります。
このように、EPCは掲載広告を見直してより収益性の高い広告に差し替えたり、Webサイトの内容を改善したりするときに、指標として使える値です。
EPCとCVRの違い
広告1クリックあたりの収益であるEPCと混同しやすい用語にCVRがあります。EPCとCVRの違いを説明します。
CVRとは「Conversion Rate」の略で、コンバージョン率のことを示します。
コンバージョンとは、アフィリエイト用語ではそのWebページが目標としている最終的な成果地点を指し、CVR(コンバージョン率)とは、クリックがどれだけの率で成果までつながったかを見る指標のことを言います。
例えば、オンラインショップでは商品やサービスの購入が成果地点、キャンペーンサイトでは資料請求や資料のダウンロード、アンケート応募や会員登録などが成果地点となるかもしれません。
どれを成果地点とするか、また目標数値をどのぐらいにするかは自由に設定して構いません。
CVRは以下のような計算式で出すことができます。
・CVRの計算式
CVR = コンバージョン数(成果地点に達した数)÷広告のクリック数
EPCは、数値が高くなるほど1クリックあたりの報酬金額が高くなりますが、CVRでは、その数値が高くなるほど成果達成率が高くなる、ということになります。
成約しやすい広告の選び方
EPCやCVRは掲載広告の種類によって異なるため、選び方次第で報酬金額が変わってきます。では、確実に成果(購入)地点に到達し、報酬に結びけるためには、どのような観点から選べば良いのでしょうか。
ランディングページの品質
ランディングページ(Landing Page)とは、訪問者がWebサイトにアクセスして、最初に着地したページのことです。略してLPとも言われます。
アフィリエイトの広告においては、ユーザーがクリックしてはじめて表示される広告主のページがLPです。そのLPの品質が、成果(購入)に結びつくかそのまま離脱(見ていたページを閉じる)してしまうかを決定します。
そのため、いかに閲覧者に魅力的なコンテンツが詰まっているか、というだけでなく、ユーザーフレンドリーな画面や、商品やサービス自体の質も大切なポイントになります。
LPの品質を見極めるポイントとして以下が挙げられます。
1. 「ワンカラムで作られている」
閲覧者には、迷うことなく購入ボタンをクリックしてもらわなくてはなりません。2カラム・3カラムのLPなど、購入以外のリンクがたくさん貼ってあると、成果(購入)地点に到達する前に離脱してしまいます。
2. 「スマホ対応である」
最近ではタブレットやスマートフォンからWebサイトにアクセスする人が7割を超え、パソコンからのアクセスをはるかに上回っています。スマートフォンからでも、読みやすくかつ高速に表示できるかどうかも成果(購入)に結びつくかを左右します。
3. 「販売している商品やサービスに魅力がある」
LPがどれだけ美しく作られていても、そこで販売されている商品やサービスに自分が魅力を感じなければ人には勧められません。
4つの指標を確認する
成果ごとの報酬金額である「報酬単価」、1クリックあたりの報酬金額を示す「EPC」、成果達成率を示す「CVR」、報酬単価アップキャンペーンなどの「特典」の有無、といった4つの指標を総合的に比較して、数学的・理論的に広告を選ぶ方法です。
例えば、サイトやブログへのアクセス数と閲覧者の広告クリック数は比例する傾向があるため、すでにアクセスが十分に集まっている場合は、EPCを確認して1クリックあたりの報酬金額が高いものを掲載します。
大物を釣る方針で一度の成果で大きな報酬を得たい場合は、報酬単価を重視する方法もあります。
また、「○月○日からの1ヶ月間は報酬単価500円アップ」などのように、特典が付けられている場合があります。その内容はさまざまで、期間限定のキャンペーンや成約数が多いアフィリエイター限定の特典などがあるので、チェックを怠らないようにしましょう。
4つの指標のうちのどれかひとつを重視するのか、または4つのバランスを重視するのかは、Webサイト・ブログの作り方や広告案件に大きく左右されます。
ASPに問い合わせる
成果報酬型広告(アフィリエイト広告)を配信するサービスプロバイダをASP(Affiliate Service Provider)と言います。サービスや商品を販売したい企業に代わって、広告を配信する代理店のことです。
ASPが扱っているものでどれを選択するか迷う場合は、直接問い合わせして情報収集する方法もあります。ASPはサポートページを持っており、問い合わせはWebからいつでも可能です。また、ASPからはさまざまな有益な最新情報が得られることもあります。
独自のオンラインセミナーや会員のスキル向上を目的とした記事の書き方や用語解説ページなどを設けているところもあります。
まとめ
収益を上げていくためには、「EPC」と「CVR」を上手に使い分けることが大切です。
成約・報酬に結びつきやすいものを選ぶためには、報酬単価・CVR・EPC・特典の4つの指標を確認するとともに、LPの品質の見極めやASPへの問い合わせなどさまざまな方法が活用できます。
掲載案件の選択はもちろん、運用中のWebサイトのコンテンツの見直しも効果的です。
