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法律相談所「副業の定義って?」
お金のこと、人間関係…。働いていると、困ること、迷うことはたくさんあります。では、法律的にはどうなのでしょうか。働き女子に起こりうる「こんなとき、どうしたらいいの?」に、敏腕弁護士が答えます!
Question
現在、正社員として営業職に就いています。一方、将来のスキルアップのために、社外でも色々な方と交流を積極的に持っています。その努力もあって、会社とは別に、個人として仕事をもらうことが少しずつ増えてきました。けれど、会社に副業禁止の規定があるため、現在は泣く泣くそうした仕事を断っている状況です。
副業に何か定義はありますか? また、副業を禁止している企業は多いと思いますが、そもそも、企業は従業員の副業を禁止できるのでしょうか?
Answer
副業に関する疑問ですね。副業と一口に言っても、お小遣い稼ぎ程度のアルバイトや内職のようなものから、自分で会社を経営する場合まで様々な場合が考えられます。中には、「本業よりも収入がいいからどっちが副業か分からなくなった」なんていう方もいるのではないでしょうか。
相談者さんのように、社外の色々な方と交流していくことは非常に有意義なことだと思いますし、人と人の繋がりは仕事をしていく上で非常に重要なことですから、特に営業職の方の場合は社外に多くの交流がある方も多いのでは。
そうした繋がりが身を結び、仕事が舞い込んで来たらそれは本当に嬉しいことですよね。個人として信頼されているからこそ、会社ではなくあなたに頼みたい、という話になってくるのでしょう。
でも会社から禁止されている「副業」にあたるということになれば、そうした嬉しい誘いも断らざるを得ないですよね。では、法律的には、「副業」はどのようなものを指すのでしょうか。
実は、法律で「副業」に関して明確な定義があるわけではありません。ですから、単純に日本語の意味通り、本業とは別で収入を得る仕事がある場合、それは副業にあたるということになると思われます。その意味では、個人で得た仕事も副業ですし、アルバイトをして雇われたものも副業ということになります。仕事の種類を問わず、どんな仕事でも副業だということですね。
でも、企業は、「副業」であればどんな「副業」でも禁止できるということにはなりません。特に、最近では収入を得る手段も多様化していますから、個人でネットオークションをしたり、株式投資をしたりする方も増えてきているでしょう。こうした個人的な嗜好を「副業」にあたるとして企業が制限できるかというと難しい判断になりますが、収入を得る目的で、反復継続しておこなっているような場合は、本業に支障が出る恐れがありますから、禁止されている「副業」にあたると言っていいのではないでしょうか。
このように、企業は、一律で従業員の「副業」を禁止することはできないけれども、一定の範囲では禁止することができるとされています。
これは、どんな仕事を選択するかという権利が従業員には認められている反面、すべてを従業員の自由にしてしまうと会社の業務に支障がでたり、信用が傷つけられたりするおそれがあることから、間をとって一定の範囲では制限することも認めよう、ということです。
また裁判例には、アフター5や余暇をどう使うかは従業員の自由だが、本来、アフター5や余暇というのは、その日の疲れを取って翌日またちゃんと仕事ができるようにするために使われるべきであるため、会社にはアフター5や余暇の使い方に口を出すことも認めるべきだと言っているものもありますが、正直なところ、これは副業を規制する理由としてどうかなっとは思います。
もっと簡単に言えば、どうしても副業がしたいのであれば、副業を許している会社に転職してしまうか、独立してしまえばいいのです。とはいえ、個人のネットオークションや株式投資まで規制してしまうことは、本人が了承して会社に入社してきたとしても、やりすぎだとは思います。
女性の場合、夜のお仕事を副業にされている方もいらっしゃいますよね。残念ながら、水商売が企業に与えるイメージはいいものとは言えませんから、企業には、ブランドイメージを守るために水商売を禁止することが認められるでしょう。
仮に、禁止されているのに副業をしてしまった場合、服務規律違反に問われてしまうことになります。懲戒事由として定められていた場合、事情に応じた懲戒処分が下されることになるでしょう。もちろん、その場合、副業は辞めることになります。
他方で、兼業や副業を禁止する旨の就業規則を設けていない会社では、従業員が兼業することを禁止することはできません。ただ、副業を禁止していなかったとしても、副業によって本業に支障がでている状態になれば、その支障を理由にしかるべき処分をすることができます。
というわけで、会社が副業を禁止しているのであれば、会社にいる間は個人的な仕事であっても控えておいた方がよさそうです。人脈が築けてきたと感じるのであれば、思い切ってフリーへの転身や起業をしてみては。