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芸能人の副業、成功/失敗の分かれ道とは?
名前が売れてくると、芸能人は飲食店経営などの副業に乗り出す。古くはビートたけしが軽井沢に「北野印度会社」というカレー屋を出店したり、タモリが静岡に「太助」というお好み焼き屋を出店したりしていた。近年では、小倉優子や藤本美貴の焼肉店などが話題となった。
だが、これらの店は今では全て閉店に追い込まれている。一方で、’11年に芸能界を引退した島田紳助は、芸能活動中から副業の寿司店やバーなどの経営に乗り出し、大成功。資産44億円と報道されたこともあった。昨年、次男の不祥事で、帯番組『朝ズバッ!』を降板したみのもんたも、『ニッコク』という水道メーターの社長を務めている。ある意味、これがリスクヘッジとなった。
◆名前貸しのサイドビジネスは失敗する
彼らの分水嶺は、いったいどこにあったのだろうか。芸能記者が話す。
「紳助さんは信頼できるビジネスパートナーを見つけて、その人に任せた。それでいて、自分でもきちんと勉強をした。この2つが、大きなポイントです。
たけしさんのカレー屋は、『元気が出るテレビ』の企画から派生したものだから、半分ギャグみたいなもの。本人さえも『どうなっているのかわからない』と言っていたほどで、最初から興味なかったんですね。タモリさんはみずからも店によく訪れて、調理場に入ることもあったそうですが、正直味はイマイチでした。アルバイトが普通に作っていましたからね……。そこまで本格的ではなかった。中途半端な印象です。
小倉優子や藤本美貴は単なる名前貸しでしょう。これが、いちばん良くない。芸能人になると、いろいろなしがらみができてきますが、名前を貸すだけで自分は何も知らないという状態はもっとも危険なパターンです」
不景気の今、いくら働いても給料が上がらず、副業に手をつけたいと思う会社員もいるだろう。芸能人のサイドビジネスから学べることは何か。
「紳助さんのように、“あくまで自分は経営に関しては素人”という謙虚さを持つことが重要です。その上で、やるなら本気でやる。みのもんたさんは、文化放送退社後、父親の経営する『ニッコク』に入社。当時はアナウンサーとしての仕事もあまりなかったので、『ニッコク』に傾注できた。本人も“死に物狂いで働いた”と語っています」(同前)
副業があるからといって、本業を疎かにすると、のちのち後悔することになる。
80年代、不動産業で稼ぎまくった千昌夫はバブル崩壊とともに、借金が膨れあがってしまい、00年には事務所が経営破綻。
副業で儲けていた80年代後半、千は本業である歌手として、新曲を発売していなかった。’91年に約5年ぶりの新曲をリリースするも、不動産屋のイメージがついてしまった千は、かつての勢いを取り戻せなかった。
本業も副業も、謙虚な心を持った上で、本気で取り組む。そうしないと、リスクヘッジどころか、どちらも中途半端になってしまうから、気をつけたい。