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103万円や130万円の壁をなくすとどうなる?女性の就業意識調査
3分の1が働く考えなし
リクルートジョブズが過去に行った調査から、50~69歳の女性の就業状況を集計し、20~49歳の女性との比較を行うなどの分析結果を発表している。
これによると、高齢女性の就業率は42.0%、職を求めている人は10.2%、就業意識のある人は11.7%と、いずれも20~49歳の女性と比較して低かった。また就業する考えのない人は36.2%で、約3分の1が働く考えがないとのこと。
また働いている人の職業では、アルバイトやパートが56.1%、派遣・契約社員が7.8%、正社員が19.8%で、20~49歳の女性と比較するとアルバイトやパートが多く、社員が少なくなっている。
資料では、高齢者の求職の条件や、職探しを断念した理由も集計しているが、高齢になると、年齢そのものや、求人する職種が限定されていることが、職探しのネックになっているようだ。
「壁」を意識している人は約半数
配偶者控除や保険に関係する年収から、「103万円の壁」や「130万円の壁」などと表現することがある。
こうした枠を意識して働いている人は、50歳以上のアルバイト・パートでは55.0%、49歳以下では63.2%となっている。一方、社員を対象にすると、50歳以上では10.6%、49歳以下では7.1%と、グッと少なくなる。
50歳以上で働いている人の平均年収は103万8000円だが、「最低欲しい年収」の平均は119万2000円、「最大限稼げると思う年収」の平均は160万5000円だ。
つまり可能であればもっと働きたいけど、抑えている人がかなりいることが分かる。
「壁」が関係のない人達
こうした「壁」が無くなった時に、働く人が、そして働く時間を増やす人が増えるかどうかだ。
念のために書いておくと、国が検討している「壁を無くす」のは、配偶者控除が適用される額(103万円以下)を無限大に引き上げたり、社会保険料の扶養範囲(130万円未満)を大きく拡大することではない。
むしろ壁を目の前に設置して、壁自体をスタートにするようなものだ。
素直に考えれば、現在働いておらず働く必要のない女性は、壁の有無に関わらず働き出す可能性は低いだろう。そして現在枠に関係なく働いている女性は、壁がどうなろうと働き続けるに違いない。
「壁」が関係する人達
問題は、現在「103万円の壁」や「130万円の壁」を意識しながら働いている女性だ。
資料では働く目的を集計してある。上位の回答から目的を「現在の生活に必要」「将来的な備え」「娯楽・レジャー」「金銭以外」に分けてみた。
【現在の生活に必要】
生計維持:49歳以下31.3%、50歳以上47.3%
ローンなどの返済:9.3%、15.0%
経済的自立:9.1%、13.8%
【将来的な備え】
貯蓄・貯金:19.5%、31.0%
大きな出費の備え:7.2%、13.6%
【娯楽・レジャー】
旅行費用を稼ぐ:9.7%、11.7%
自由に使うお金:22.6%、28.6%
【金銭以外】
社会とのつながり:11.1%、8.9%
自身の成長:9.0%。12.8%
仕事は当たり前:9.2%、8.9%
働くことが好き:8.5%、7.8%
視野を広げる:7.7%、8.3%
「生活に必要」や「将来的な備え」を目的に働いてる女性は、控除が無くなったり社会保険が強化されたりすれば、働く時間を増やす必要に迫られるだろう。
「娯楽・レジャー」の女性はどうだろうか。扶養控除などの枠が小さくなれば、それに合わせて働く時間を減らすか、増やすにしても最低限に留めるように思う。
そして「金銭以外」を目的としている人はどうだろうか。資料には次のようにある。
“20~49歳同様、経済的な理由が大半を占めるが、20~49歳よりも経済的理由の比重は下がり、「社会とのつながりを得るため」「働くことが好きだから」「社会に貢献するため」といった、経済的要因以外の理由が増える。”
こうした目的で働いている人は、「壁」がどうあろうと働く内容を変えることはないだろう。
つまり「壁」がなくなった場合に、働く時間を増やす人は、現在の生活や将来に備えて働く必要のある人だ。
もっと分かりやすく書くと、国の都合による課税強化や社会保険維持のために、より働かせられるにすぎない。
「働く意欲のある女性のため壁を取り払う」のような耳触りの良い表現を見聞きすることが多いが、それは単なる名目で、実際には「働かせられる」女性が増えそうだ。