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【貧困女子のお部屋訪問】年収200万円以下の現実

 風俗街で知られる西川口駅で、築30年・家賃5万円のアパートで暮らす坂口美穂さん(仮名・26歳)。テレビはないが本棚にはさまざなジャンルの小説やCDがならぶカルチャー女子。質素ではあるが整理整頓されている。

「お金がないから、部屋で古本読んでるだけです。毎月のように自転車操業で、読み終えた本が溜まったら売りにいきます」

 人生にミソが付いたのは、高校卒業後から6年近くアルバイトで勤めていたクリーニング店の倒産だ。その後派遣で医療系の会社に勤めるも、職場でイジメに遭い、続かなかった。生活に困窮しはじめたときに、自宅近くの風俗店の看板が目に入った。

「私、太っているので『ぽっちゃり専門店』でしか働けなくって。料金は60分1万円で、私に入るのは約半分。マニア店だから需要が少なく、8時間待機しても2人しか客は来ない。月収は手取り15万円ぐらいですね」

 風邪や生理時は出勤できないため、さらに稼ぎが減ってしまう月もある。コンビニでバイトしたほうがよほど稼げるのでは……。

「でも、クリーニング店は安い時給の体力仕事だったし、60分で稼げる風俗を経験してマジメに働くのがバカらしくなった。まぁ、エッチなことが好きなのもあるけど」

 そういって笑うが、現実は笑えない状況だ。親類の保証人になったことで、借金200万円を背負い、債務整理中だという。さらに受難は重なる。

「夏に体調を崩して2週間仕事を休んだことで、家賃を2か月滞納中で。呼び鈴が鳴る度に大家さんかな?とビクビクしています」

 小さな希望は、店で知り合った交際歴半年の彼氏。風俗の仕事に反対するなど、彼女のことを真剣に考えているようだ。

「でも、いまの仕事をやめても、次の仕事が見つかるまで私を経済的に支える力は、彼氏にもない。こんな仕事をしているうちは結婚できないだろうし、そのうち捨てられるんじゃないかな」

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